2025年4月から、雇用保険法が順次改正されました。特に「基本手当(失業給付)」の受給条件は、自己都合で退職された方にとって大きな影響があります。
今回の改正のポイントを、受給に関わる具体的な情報(給付制限、日額上限、支給日数など)とともにわかりやすく解説します。
1. 📢 注目ポイント!自己都合離職者の給付制限期間が大幅短縮
これまで、自己都合で退職した場合、失業保険の給付が始まるまでに長い期間待つ必要がありました。2025年4月の改正で、この給付制限期間が大幅に短縮されました。
| 項目 | 改正前(原則) | 改正後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 給付制限期間 | 7日間の待期期間満了後、2ヶ月 | 7日間の待期期間満了後、原則1ヶ月 |
【注意点】
- 直近5年以内に3回以上自己都合離職を繰り返している場合は、これまで通り3ヶ月の給付制限が課されます。
- ハローワークの指示でなくても、自ら教育訓練を受けた場合にも、給付制限が解除される道が広がりました。
2. 💰 基本手当の「日額上限」と「支給日数」について
給付制限期間は短縮されましたが、基本手当の日額上限や支給日数の決定ルール自体に大きな変更はありません。
(1) 一日の上限額(基本手当日額)
基本手当日額は、離職時の年齢と賃金によって決まり、毎年8月1日に改定されます。
| 離職時の年齢 | 2024年8月1日時点の目安 |
|---|---|
| 60歳以上65歳未満 | 7,177円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,330円 |
| 30歳未満 | 7,640円 |
(2) 支給日数(所定給付日数)
離職理由や加入期間、年齢に応じて90日~330日の間で決まります。
- 倒産・解雇など(特定受給資格者):
- 年齢・加入期間に応じて90日〜330日
- 自己都合(一般の離職者):
- 加入期間に応じて90日〜150日
3. 👶 育児・教育に関する新しい給付制度
「人への投資」や仕事と家庭の両立を支援するため、新しい給付が創設されます。
- 育児時短就業給付の創設(2025年4月〜)
- 2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている方へ、賃金の10%を給付。
- 教育訓練休暇給付の創設(2025年10月〜)
- 教育訓練を受けるために休職した場合、失業時の基本手当に相当する金額を給付。
4. 🧓 65歳以上での離職と高年齢雇用継続給付の見直し
- 65歳以上で離職した場合:
- 基本手当ではなく、一時金として高年齢求職者給付金が支給されます(基本手当日額の30日分または50日分)。
- 高年齢雇用継続給付の給付率縮小(2025年4月〜)
- 60歳から65歳未満で働き続けている方への給付率が、最大15%から最大10%に縮小されました。
🔑 まとめ
2025年4月の改正は、自己都合退職時のリスクを軽減し、リスキリング(学び直し)や育児との両立を支援する「雇用のセーフティネット強化」が目的です。特に、自己都合離職による基本手当の給付制限が短縮された点は、転職を考える方にとって大きな追い風となります。
最新の正確な情報や個別の手続きについては、必ず厚生労働省またはお近くのハローワークでご確認ください。
