ねんきん定期便はどうやって見る?
毎年、誕生月に日本年金機構から届く「ねんきん定期便」。
「難しそうで見ていない」「ハガキの裏面は複雑でよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、特に現役世代にとって、ねんきん定期便は将来の年金額や年金記録の誤りを確認するための、非常に重要な情報源です。
この記事では、「ねんきん定期便」で特にチェックすべき項目と、その確認方法を徹底解説します。
1. 「ねんきん定期便」をしっかり見るべき理由
ねんきん定期便は、あなたの年金記録を通知し、将来受け取れる年金額の目安を知らせるものです。
特にチェックすべき理由は以下の2点です。
- 年金記録の「モレ」や「誤り」を早期発見できる:転職や結婚などで制度が変わった際に、記録に誤りがあるケースがあります。
早期に発見すれば、50歳未満であれば、まだ修正のための時間が十分にあります。 - 将来の年金見込み額を把握し、対策を立てられる:今のペースで働き続けた場合の年金額を知ることで、「老後資金が足りるか?」という不安を解消し、iDeCoやNISAなどの対策を立てるきっかけになります。
2. ねんきん定期便のチェック項目【全世代共通の基礎】
まず、すべての世代が確認すべき基本的な項目です。
定期便の形式によって表示場所は異なりますが、必ず確認しましょう。
| チェック項目 | 確認の目的 | 見方・注意点 |
|---|---|---|
| これまでの加入期間 | 受給資格を満たしているか確認 | 老齢年金を受け取るには、原則として10年以上の加入期間が必要です。不足がないか確認しましょう。 |
| 最近1年間の月別の状況 | 保険料の納付状況を確認 | 直近1年間の国民年金保険料や厚生年金保険料の納付状況に「未納」や「空欄」がないかチェックします。 |
| お客様のアクセスキー | ねんきんネットの利用 | インターネットでいつでも詳細な年金記録や年金見込み額を試算できる「ねんきんネット」登録に必要です。 |
3. 特に確認しておく項目
現役世代が将来の設計のために、必ず裏面や別紙でチェックしておく項目は以下の2つです。
1. これまでの年金加入期間の合計(特に転職者・フリーランス経験者)
【確認目的】 記録モレや保険料の免除・未納期間がないかを確認する。
- 会社員(厚生年金)や公務員、自営業者(国民年金)として働いた期間が、実際と一致しているかを細かく確認します。
- 特に転職を繰り返した方、結婚や出産で一時的に退職した方は、年金制度の切り替え漏れがないか、年金の種類(国民年金/厚生年金)が合っているかを入念にチェックしましょう。
- 過去に国民年金保険料の未納期間がある場合は、2年以内であれば遡って納める(追納)ことができます。将来の年金額を増やすために検討しましょう。
2. これまでの加入実績に応じた年金見込み額
【確認目的】 現時点での年金受給額の「目安」を知る。
- 定期便に記載されている年金額は、「もし現時点で加入をやめたとしたら」もらえる年金額の目安です。
- この金額が低いからといって、将来の年金額が少ないわけではありませんが、現時点でのベースを確認することが重要です。
- 50歳未満の方の定期便では、「将来の年金額の見込み」は記載されません。現在の年金額を知りたい場合は、後述の「ねんきんネット」を使いましょう。
4. より正確な将来額を知るには「ねんきんネット」を活用!
現役世代が最も知りたい「このまま働き続けたらいくらもらえるか?」というシミュレーションは、「ねんきん定期便」に同梱されているアクセスキーを使って「ねんきんネット」に登録することで可能になります。
【ねんきんネットのメリット】
- 詳細な将来設計が可能:今の働き方を60歳、65歳まで続けた場合の年金額はもちろん、「給与が上がった場合」や「60歳以降も働き続けた場合」など、様々な条件で年金額を試算できます。
- 年金記録をいつでも確認:過去のすべての期間の年金記録を、オンラインで簡単に確認できます。
- いつでも試算可能:定期便は年に一度ですが、ねんきんネットなら思い立ったらいつでもシミュレーションができます。
定期便は老後設計の「診断書」
ねんきん定期便は、単なるお知らせではなく、あなたの老後設計の「診断書」です。
記録のチェックと見込み額の把握をしておけば、年金記録モレによる損を防ぎ、よりゆとりある老後を迎えるための準備を今すぐ始めることができます。
まずは定期便の「アクセスキー」を用意して、「ねんきんネット」に登録することから始めてみましょう。

